2019年06月04日

『82年生まれ キムジヨン』

韓国で100万部を売り上げ、世界中で翻訳が決まっている話題作。
日本でも韓国文学としては異例の売り上げを見せており、話題作として読んでおくべきかなと思って手に取りました。

ストーリーは、82年生まれのキム・ジヨンさん(女性です。そしてこの名前が82年生まれの韓国人女性で最も多いのだそうです)が、様々な男女差別を受けることを描きます。

そのことで、この小説はあからさまな、そして気づかない男女差別を浮き彫りにしています。

ジヨンさんは、就職、結婚、子育てと、女性として生きていく中で病気になってしまいます。その病気の原因を探るべく、彼女の過去を聞き出した医師が、カルテに書いていくというような設定で物語が進みます。

韓国と日本は異なる国ではありますが、東アジアに位置しており、多かれ少なかれ儒教の影響を受け、父長制度の影響が少なからず残る国です。

そういう意味で、形は異なれど、このタイプの性差別は、はっきりと我々の中に存在していると思います。それが明らかになったのは、東京医科大学をはじめとする入試の成績操作などに如実に表れました。

入社式の服装が今と昔を比べると、今の方が画一化されているというので、日経新聞が掲載した記事が話題になりましたが、僕はこれは性差別の一環として、女性の服装の変化がこのような形で現れたものだと思っています。

​入社式の服装、今と昔​

さて、詳しくはこの本をぜひ手に取って読んでいただきたいと思います。
女性の方はどういう気持ちでこの本を読むのだろうか。
そして、我々男性は、この本を読むことで、何かを感じるべきではなかろうかと思っています。

特に、この本ではミラーリングという手法が用いられている箇所が随所に見られます。
詳しくは、巻末の解説がありますのでそこを見ていただければと思いますが、性別を反対にすることで、
これは明らかに片方の性に対する性差別であろうと思われることは、いまの日本でも平然と存在しています。

形こそ違えど、世界中に同じようなことがある。だからこそ、この本は世界で読まれ、世界で共感を得ているのだと思います。


" target="_blank">『82年生まれ、キム・ジヨン』


●追記:随時更新していきます。

2019年6月22日、東京新聞夕刊で、異例のヒットと伝えられています。

こちらの記事も、闇が深いなと思います。「子連れの妻が「Dr.」であることを空港で疑った日本の深い闇






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